秋雨が訪れ、ようやく季節の変わり目を感じられる頃となりました。
石川雅子ミュージックアカデミーでも、秋の訪れを先取りするような、深みのあるチェロが響く「音楽のひろば」が9月19日に開催されました。
サマータイムということで8月はお休みし、2ヶ月ぶりの開催になる為、見に来てくださった方々も待ち遠しく感じられたことと思います。
音楽のひろばは今回で89回目を迎え、西葛西にある当教室と会場提供くださっている「特別養護老人ホームなぎさ和楽苑」を結び、地域交流と発展の為に、これからも素敵な音楽をお届けしていければと思う所存です。
雅子先生も、記念すべき100回を目指してやっていきますと、意気軒昂な反応を示されていました。
さて、今回の音楽のひろばはどのような曲目となっているのか、まずはプログラムから見ていきましょう。
第89回音楽のひろば プログラム
さて、こちらの曲はどなたが演奏されたのか、会場の写真と一緒にご紹介していきましょう。
朴先生のチェロが綴る緩やかな時間
朴先生のチェロが綴る緩やかな時間
序盤は、チェロ科講師・朴先生が贈る「2つのメヌエット」と「モルダウ」。
チェロが持つ重低音が身体の芯に心地よく響き、哀愁感と秋の慕情に包まれた気分でした。
健太君の大物感が隠せないほどに
健太君の大物感が隠せないほどに
今よりさらに小さい頃、シンガポールの地で生のオーケストラを聴いて育った健太君は、早いうちに音楽的なイメージができていたようです。
そうした背景もあり、通常3〜4年かけて引くシューマンの曲を、わずか10ヶ月ほどで素敵な感じに弾けるのではとの見解を述べ、前置きが終わりました。
「ひゃ〜すごい子なのね」
そんな声が聞こえてきそうでしたが、健太君自身は至っていつもの朗らかな感じで、「健太君は今いくつ?」と雅子先生が向けたマイクにも「年長さんです!」と人前でもリラックスした受け答えで、なんか大物感が伝わってきましたね。
あまりに居心地よくリラックスされていたのか、あくびがポロっと出て、雅子先生はすかさず「酸欠だったんだよね〜」と大喜利するやり取りにも笑いが沸いていました(笑)
たくさんのライオンが行進するようなイメージを含む曲で、右ペダルを踏んで、ライオンの力強い音を出すのがポイントとのこと。
健太君はまだ足が届かないので、補助ペダルをセッティングして演奏されていました。可愛いですね〜!
みんなで歌いましょう
みんなで歌いましょう
いつものように、山田さんが前に登場され、「サン・ハイ!」の合図で会場一体となり合唱が始まりました。
みなさん非常に元気よく大きな声で歌われ、明るい雰囲気が広がっていきました。
シューマン作品でもある変化が?
シューマン作品でもある変化が?
2曲目に移る際に、次の曲を忘れてしまったような感じの素振りをした健太君でしたが、雅子先生が「ソファミレミ〜から始まるよ」と囁き、「あっ」と気づいてサラッと引き始めるワンシーンもありました。
その雅子先生も「いや〜すごいですね〜この頭が欲しいくらいですよ」など、冗談か本気かマイクを通して感嘆されていました(笑)
そのあとは、雅子先生が敬愛するシューマン作品、「クライスレリアーナ」より第1番を披露していただきました。
そして、いつもながらアンコールのコールが入る前に、間髪入れずアンコール曲を紹介。
お客さんを焦らさず、ある意味精神的に優しい進行ですね(笑)
アンコール1曲めではチェロとピアノ演奏から始まりました。
「ざわわ」が持つ沖縄の世界観に浸り、時間を忘れてしまうような浮遊感が会場全体に漂いました。
そして、最後を締めるのは本日5曲目ともなる健太が登場。
人前でも物怖じせず堂々と弾く姿にも、心癒されるものがあります。
6月に行った「シューマンを弾く会」や、今月行った「ミュラー先生の公開レッスン」の受講などを通じ、演奏スキルや音楽性を磨いてきた健太君。
ミュラー先生からも、「これはいい感じだ!」との評価をされ、自分の音楽に仕上げた曲でした。
元々、素晴らしい感受性を下地に持っていて、今回それを引き出す機会をいただくことができ、音楽的にも人間的にも大きな成長に繋がったのではないかと思います。
新しい曲に挑戦する一方で、同じ曲を何度も繰り返し仕上げていき「何の為の曲作りか?」を考えていくことも大切でしょう。
まさに、健太君がそうしている中で、音楽的に完成させることへ歩みを進めていけたと感じ取れました。自分の気持ちを曲を通じ、みなさんに伝えることで、同じ曲でも音楽的な深みが生まれてくると思います。
終了後は、お客さんと楽しげに話す姿が見れて、音楽から一歩離れると無邪気な少年の顔になるところも魅力的ですね!
さて、次回11月の第89回音楽のひろばでは、フルートの魅力をお伝えする会を予定しております。
また、詳細が決まりましたら「お知らせ」ページでご案内しますね。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました(^^
雅子先生より健太君への感想